法事は何回忌までやれば良いのでしょうか?
「法事をいつまで続けるのか?」というご質問も、現在では非常に多くなって参りました。
年忌法要の区切り、ご法事をいつまで続けるかについては、地域の慣習や宗派によって違いがございます。
本来、最後のご法事の事を「弔い上げ(とむらいあげ)」と呼び、弔い上げで法要を修了すると、故人は『ご先祖さま』という扱いになり、他のご先祖さまとまとめて敬う対象となります。一般的には、「三十三回忌」を弔い上げとしている宗派が多くあります。
元々、七回忌以降は日本で作られたものであるため、仏教上の教えの中には「弔い上げ」のタイミングに明確な決まりはございません。ご法事を営む側の人間的事情も考慮され、弔い上げのタイミングとして最も選ばれる傾向にあったのが三十三回忌であったのでしょう。
現在では、
- 故人を偲ぶ親族や知人も高齢となり、法事に参加できない
- 故人を知る親族や人が亡くなっている
- 親族が揃って集まれる機会が作れない
と、上記の様に事情も考慮されることから、「七回忌」「十三回忌」「十七回忌」辺りで弔い上げとされる傾向が増えつつあります。
「いつまで行うか」については、『宗派』や故人の『ご家族様の考え』『代々の習わし』、檀家に入っている場合は『菩提寺の考え』なども、判断をする上で、しっかり検討すべき点と言えましょう。
尚、浄土真宗には「弔い上げ」の考え方はございません。
宗祖親鸞聖人の御命日を報恩講として勤めるように、私たちのご法事もまた報恩の集いであり、私たちの勝手な都合で「ここでおしまい」という打ち切りをすることではありません。そもそもご法事は「いつまで勤めなければならない」とか「ここでおしまい」などとそういうことを考えるものではないのです。その時になって、「あぁ、もうお父さんの二十三回忌か」と、その時その時で亡き方を偲ぶご縁です。
ただ、実際問題として、上記の様に各家庭の事情は様々ですので、年忌法要はできる範囲で勤めるのがよいのですが、ご法要というと必ず親戚を集めなくてはならないということはありませんので、身内の者だけでも法事を勤めることは大切なことと感じております。
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